グループリビング運営協議会の経緯と活動

グループリビングという名称を用いた住まい方を定着させたのは、1999年にCOCO湘南台を立ち上げた西條節子さんです。西條さんは、「自立と共生」という理念を掲げ、居住者(生活者)が相互に、また地域の人々と共生しながら、尊厳をもった自分らしい暮らしを実現することをめざしました。

財団法人JKAはこうしたCOCO湘南台の暮らしの先進性に着目し、2005年度から「高齢者生活共同運営住宅(通称:高齢者生き活きグループリビング)」補助事業を開始し、グループリビングの社会的普及を支援し、2011年度の終了までに日本全国で16件のグループリビングができました。また補助事業以外でもCOCO湘南台に学んだNPO法人グループリビング川崎によるCOCO宮内等が作られています。

JKA補助によってグループリビングの建物は整備されましたが、どのように運営すればよいのか、各グループリビングでの試行錯誤が続きました。JKAは運営が軌道に乗るまでNPO法人COCO湘南にグループリビング運営支援を要請し、2008年から3年間、補助事業「全国高齢者生き活きグループリビング支援事業」が実施されました。この事業のなかで、グループリビングの情報発信のためのHP運営、登別におけるグループリビングの視察と組み合わせたワークショップの開催、グループリビング運営者のネットワーク構築などが進められました。

この3年間の経験によってグループリビング運営者の相互支援の必要性が一層認識されるようになり、グループリビング運営協議会の設立につながりました。会員法人が持ち回りで補助事業等の事業主体を担い、活動のための補助金申請を行いながら、継続的にワークショップを開催することを中心に活動が展開し、グループリビングの相互支援、啓蒙普及活動をおこなっています。

これまでの活動では、各地のグループリビングに集い、地元の方たちと一緒にワークショップと見学会を行い、地元の方たちにもグループリビングへの理解を深めていただくとともに、協議会メンバーは各地の現場から学ぶということをテーマとしています。全国で見学会とワークショップを開催し、その成果を「訪問記」、「報告書」として冊子にまとめ頒布しています。

これまでの取り組みを表にまとめました。