グループリビングの住まいは大きくは共用部分と居室部分に分かれます。COCO湘南台をベースにして作られたグループリビングの居室は25m2(15畳)以上の広さで作られています。共用部分と居室部分の合計面積の割合は1:1程度になっており、ゆったりとした共用部分を持っています。
下図にCOCO湘南台型のグループリビングの室と機能をまとめました。グループリビングによって室や機能の構成に違いがあります。特に浴室や洗濯機置場の配置を共用部分にするか、居室部分にするか、は各グループリビングの方針によって違っています。
居室のなかにある機能を共用部分へ移転していくことでイニシャルコスト(建設費)やランニングコスト(水光熱費)を下げることができます。例えば各室に浴室を作らず共同で利用する場合などです。一方共用部分へ移転していくことは管理しなくてはならない空間が増えていくことにもなります。入居するまで異なった生活スタイルをもっていた入居者にとっては、ルールがないとどんな小さなことでも入居者間の問題の種となる場合があります。共同性のある生活は面倒ではありますが当事者同士の見守りや助け合い、コミュニケーションに繋がります。何を共同にして何を居室に残し住まいを構成するかは暮らしやルールを想定し、コストを考慮しながら考えなくてはなりません。
またCOCO湘南台型のグループリビングではアトリエがあります。グループリビングによっては地域交流スペースや多目的室という名前で使われている場合もあります。アトリエは入居者間や地域の人達と交流をするスペースです。地域の不特定多数の人がアトリエに出入りする可能性があるため、セキュリティや入居者のプライバシーを考え、アトリエの入り口は入居者の玄関とは別にすることが必要です。また地域の人がアトリエを気軽に利用するためには外部から部屋の中の気配が感じられるようなつくりや入口の位置が判りやすいことが重要です。
グループリビングの生活は様々な場所、人、ルールで組み立てられています。入居者自身、入居者共同、あるいはスタッフがそれぞれ役割を持ち毎日の暮らしをつくっています。
スタッフを誰にしているかは運営主体の事業特性や運営主体の他の事業との距離的な近接度も影響しています。入居者のサポートをするスタッフはグループリビング事業者のスタッフや外部委託の生活支援サービスのスタッフの場合があります。
食事が1日に用意される回数や曜日、食事が作られる場所などもグループリビングによって違いがあります。食事を作る人は朝、昼、夕違う人の場合もあります。また食事を作る人は朝を除いてはスタッフがほとんどですが中には入居者が共同して作っている所やお弁当をとっているところがあります。またスタッフが料理を作る場合でも配膳や後片付けを入居者が手伝っている場合があります。入居者共同の食事は食堂で行われています。入居者に交じってアトリエ利用者やスタッフが一緒に食事をすることもあります。コミュニティカフェを付設しているグループリビングもあり、お昼を地域の人と一緒に食べています。
掃除の場所、掃除の回数、掃除する人はグループリビングによって違いがあります。個人部分は入居者が掃除するのがほとんどです。共用部分はスタッフが掃除する場合が多いですが中には入居者が共同で掃除しているグループリビングもあります。
共用部分の浴室利用には入浴場所によって入浴前の声かけや入浴の準備、入浴中の規則、入浴後の清掃にはルールがある場合が多いです。入浴の準備は入居者がしている場合が多いです。
高齢になると電球の付け替えなど生活の細々としたことのお手伝いが必要になってきます。COCO湘南ではライフサポーターという役割を置いていますがグループリビングによってはスタッフがその役割をはたしています。